【奨学金の闇】奨学金返済者3000件調査 果たして自己責任で片づけて良いのか?

奨学金

  

こんにちは!ななひゃくと申します

何気なくネットを見ていると、興味深い記事を見つけました

「死んでチャラにしようと思った」 奨学金3000件調査から見えた「生の声」(今野晴貴) – 個人 – Yahoo!ニュース

この記事では、奨学金制度の問題点、また返済に苦しむ生の声がまとめられています

Twitterでもかなり話題になっており、賛否両論の意見がありました

中でも僕が気になったのは、「自分で奨学金を借りたのだから自己責任でしょ」という意見です

僕は奨学金問題は自己責任の一言で片付けられるものではないと考えています

当記事では、まず記事の要点をまとめた後に、僕が奨学金問題を自己責任だと思わない理由を書いていきます

最後は返済当事者がまずすべきことも解説しているので、参考にしてみてください

記事から分かる奨学金制度の問題点

砂と本

本記事は少し長いので、まず記事の要点をまとめていきます

記事から読み取れる奨学金制度の問題点は次の3つです

奨学金を借りて進学する学生は増加傾向にある

卒業後、返済に行き詰るケースが増えている

厳しい取り立て、不十分な救済制度

以下個別解説していきます

奨学金を借りて進学する学生は増加傾向にある

まずは、増加する奨学金の利用率についてです

奨学金を利用する学生の数は年々増え続けています

その数は、2019年時点で大学、短大に通う学生の約36.5%にも登ります

また、これは記事内にはないデータですが、日本学生支援機構が行った調査によると、1番学生数が多い「大学の昼間部の学生」に限れば奨学金の利用率は49.6%であるという数字もあるほどです

皆さんがイメージする一般的な大学生の約2人に1人がなんらかの奨学金を利用しているのです

中々衝撃的な数字ではないでしょうか?

この事態の背景には、3つの背景要因が指摘されています

  1. 高卒と大卒の学歴格差による大学進学率の増加
  2. 国立、私立大学共に高騰する学費
  3. 所得の低下による両親の教育負担率の低下

どれも納得の理由だと思います

 

実際に僕も高額な学費を親が負担できないため多額の奨学金を借りました

ただ、奨学金を借りても大学でしっかり勉強し、専門的な知識やスキルを身につければ就職には苦労しないのでは?と思うかもしれません

しかしながら、そう簡単にはいかない学生が増えている現状があります

卒業後、返済に行き詰まるケースが増えている

これには、日本の低賃金化、劣悪な労働環境などが背景にあります

大学を卒業して正社員となったとしても十分な給与を得られないケースが増えているのです

新卒で入った会社で十分な給与を得られず、働き続けていても給与は上がらない

そこに奨学金の負担が重くのしかかってくるので生活はいつまでも苦しいままです

また、学生を使い潰すようないわゆるブラック企業も問題となっています

ブラック企業に入っても奨学金の負担があるため辞めるに辞められず、心身共に病んでしまい働けなくなってしまうケースも少なくありません

これは自分も新卒でうつ病になり休職を経験しているので、よく分かります

お金の不安があるため、今いる場所を離れて一旦休むという選択肢が中々取れませんでした

新卒が劣悪な環境で追い込まれていく過程は、僕の体験談でまとめているので気になる方は見てみてください

このように、返済に行き詰まる若者が増えていく一方、奨学金の取り立てはかなり厳しいものとなっています

厳しい取り立て、不十分な救済制度

奨学金の返済が滞ると、以下のようにペナルティが課されていきます

延滞が2か月を過ぎると返済額に延滞金が加算される

3か月を過ぎると信用情報に延滞情報が記載され、ブラックリストに入る クレジットカードやローンが組めなくなる

9か月を過ぎると法的措置に移行 一括返済を求められる

かなり厳しいですよね

特に9か月を過ぎた場合、一括返済を求められるというところが衝撃的です

毎月の返済もできないのに一括返済なんてできるわけがありません

そのため、自己破産に追い込まれてしまうケースも少なくないようです

一方で、返済に苦しむ人を支援する以下のような制度もあります

  • 返還免除
  • 返還猶予
  • 減額返還制度
  • 所得連動返還型奨学金制度

ただ、返還が免除されるのは死亡や精神疾患などでどうしても返還が不可能になった場合だけ

猶予や減額をしても返還の総額は変わりません

結局は奨学金を返さなければならないため、その場しのぎにしかならないでしょう

このように、救済制度を使っても奨学金の負担はいつまでも債務者に付きまとうことになります

奨学金は自己責任だと思わない3つの理由

問題点

上記の記事に対するTwitterの意見を見てみると、

「結局は自分で借りたんだから自己責任だ」

というような意見が多く見られました

確かに、奨学金を借りた1番の責任は自分にあります

なので、僕は「奨学金を帳消しにしろ!」とまでは考えていません 

自分で返す必要があると分かって借りたお金ですからね

しかし、その全てを自己責任だと切り捨ててしまうことには反対です

それは以下の理由からです

奨学金は最早立派な社会問題である

奨学金制度は日本の現状に合っていない

将来自分たちの子供が苦労する可能性がある

それぞれ個別解説していきます

奨学金は最早立派な社会問題である

前述の通り、今や約2人に1人の大学生が奨学金を借りているという現実があります

大学で高等教育を受けた、日本の未来を担う若者の大半がマイナスから社会人のスタートを切るのです

これを自己責任の一言で片付けてしまってよいのでしょうか?

僕はそう思いません

若者の貧困を放っておくことは、大きな社会損失につながると僕は思います

日本では、長い間少子高齢化が問題視されています

その背景には様々な要因がありますが、大きな要因の1つに若い人たちが結婚しなくなった、晩婚化が進んだことが取り上げられることが多いです

しかし、若者の経済的な事情を見てみるとそれ当然のことのように思えます

  • 不安定な雇用、労働環境
  • 中々上がらない収入
  • 重い奨学金の負担

これらの状況におかれて、積極的に結婚しよう!子供を作ろう!と思えるでしょうか?

若者は結婚しないのではなく、中々できない人が増えているのが現状のように僕は思えます

また、若者の○○離れという言葉もよく聞かれます

若者が車などから興味をなくしており、関連企業の売り上げが落ちているというのです

ただ、これも本当に若者だけのせいなのでしょうか?

僕には離れているのではなく、経済的に手が出せないだけのように見えます

このように、若者の貧困による少子化や経済への影響は決して小さくないと僕は考えます

社会問題として奨学金を取り上げ、若者の経済状況を改善することは大きな意味があります

奨学金制度は日本の現状に合っていない

昔も同じように奨学金を借りる人はいましたが、そこまで社会問題化はしていませんでした

それは、大学を卒業すれば安定した雇用が得られ、十分な給与がもらえたからです

給与も年功序列制でだんだんと伸びていき、明るい未来を描くことができました

しかし、今は状況が一変しています

大学あるいは大学院を卒業しても安定した雇用を得られるとは限らない

給与は中々上がらず、年功序列や終身雇用などの制度も崩壊しかけています

今や大学進学は、明るい未来を担保するものではなくなってきています

にも関わらず、奨学金の制度はそのまま変わらず、昔のままです

もう少し社会の変化に合わせて、奨学金制度も形を変えていくべきだと思うのです

具体的には、

  • 返済不要な給付型奨学金の拡充
  • 延滞金など、取り立て方法の見直し
  • 救済制度の拡充、見直し

などです

時代に合わない制度を利用している人がほとんどの現状で、奨学金は自己責任の一言で済ましてしまうのはあんまりだと僕は思います

返済に苦しんでいる人たちがたくさんいることを受けて、制度見直しの議論が進んでいくことを望みます

将来自分たちの子供が苦労する可能性がある

最後は、将来の子供たちについてです

運良く今奨学金を借りていない人達にとっても、奨学金問題は他人事ではありません

それは、自分達の子供が将来奨学金を借りる可能性があるからです

日本では、親世代の収入が上がらないにも関わらず学費は上がり続けているという現実があります

必ずしも自分が子供の学費を全額負担できるとは限りません

僕は奨学金問題を自己責任だと切り捨てて制度の問題点をそのままにしておくと、将来そのツケが自分の子供にのしかかってくる可能性があるのではないか、と考えています

将来の子供たちが苦労をしないためにも、奨学金の問題に社会全体で目を向けていくべきなのではないかと思います

奨学金に不安を感じている人がまずすべきこと

パソコンとコーヒー

ここからは、奨学金に不安を感じている人がまずすべきことを紹介します 

それは、「情報を集めて自分の現状を把握すること」です

自分の現状を分かっていないと、次の対策は打てません

まずは情報を集めましょう

これも1つの問題だと思うのですが、奨学金の情報は他人から教えてもらう機会が少ないのです

僕が奨学金を借りる時のことを思い出すと、先生から手続きの説明は受けても

  • これが一体どういうものなのか?
  • どのようなリスクがあるのか?
  • 返せなくなった時はどうするのか?

などの説明はほとんどされませんでした

そのため、自分が借りている奨学金について詳しく理解している人は意外にも少ないのです

奨学金に関する情報は自分から調べて取りにいく必要があります

この記事を読んでいるあなたが学生であれば

自分が借りている奨学金はいくらで、月々の返済額はいくらくらいになるのか?

返済はいつから始まるのか?

保証人は誰がなっているのか?機関保証なのか?

などを調べてみましょう

あなたが社会人で既に返済が始まっているのであれば、

返済が滞った際のリスクはどれくらいか?

返済に行き詰まった時に頼れる制度、団体はないのか?

などを調べてみましょう

また、社会人であるならば自分のお金の情報も大切です

家計管理をして、自分のお金の流れを徹底的にチェックしましょう

自分の支出は月々いくらで収入はいくらか?

どの分野にいくら使っているのか?

家計の中で改善点、反省点はどこか?

などを確認してみてください

このように、自分の状況を把握してから初めて対策を打つ段階に進めます

大事なのはまず「敵を知ること」 次に大事なのは「己を知ること」です

今現在辛い状況にある方、また将来の返済に不安を感じている学生はまず情報収集から始めてみてください 

手前味噌ですが、当ブログでも奨学金に関する情報を随時紹介していきます

もし良ければ参考にしてみてください

まとめ

今回の記事では、奨学金について話題になっていた記事を取り上げました。

現在の奨学金制度は問題点が多数あります

それは自己責任の一言で片付けられるものでは決してなく、現在奨学金を利用してない人にもぜひ知ってほしい内容です

奨学金で今現在苦しんでいる人はまず情報を集めて、自分の現状を正しく理解してからできる対策を考えていくようにしてみてください

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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